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母は父が嫌いだ。 それは私が物心ついたころから変わらずそうだった。 小さな頃、二階の子供部屋で眠りにつく頃、一階からものすごく大きな声で両親の喧嘩する声が聞こえてきた。母のヒステリックな声、父の響くような低い声。あの時の感覚を未だにリアルに…

最近良人さん、大声で笑う。そして、よく眠ったり食べたりしている。暖かな気持ちになる。今まで鬱気があって、きちんと眠ってもない、食べてもない人だったから、その光景は嬉しい。 生きていくことってこういうことなんだろうなぁ、っていう輪郭を掴んだの…

愛菜。 私のお母さんみたいな、ただの友達みたいな、親友みたいな子。あの子は別に話を聞いてくれない。たくさんの話をする。そして、時にそれに退屈する。でも、退屈しても、何度も同じ話ばかり聞かされても、私はあの子が好きだ。 あの子には力があって、…

まさか、といいたいのか、やっぱり、といいたいのか。 私の周りには目が良過ぎる男が二人ばかりいる。なんて細かいことに気づくんだろう、どうしてそんな事が見えたんだろうと、傍にいて驚かされる。両者とも気付いてしまうあまりに、何か大変そうな荷物を背…

母がまた怒っている。 私の母は、全くもってもう、怒りという力を無限に持っている。怒ることに疲れることはないのだろうか?いや、口では疲れたと言うくせに、ひたすら怒る事が出来てしまう。怒りがそのままエネルギーになっているのではないか、とも思って…

よしもとばななの『ばななブレイク』を途中まで読んで、吐きそうになった。思わずむせた。涙目になって、かはかはと咳をした。 カート・コバーンについて書いてあったから、ふと聞きたくなってNIRVANAをBGMにしたのもいけなかったのかもしれない。 NIRVANAを…

と、その中でも私がうんと好意を持っている男がいる。恋ではなく、ある一種の愛を持って、聡久に接している。 聡久は不思議な男で何を考えているか分からない。(なんか、色んな人の事不思議って言うけど、本当に皆少し違うんだよ。) 普段、集団のなかにいる…

まきおばちゃんのはなしをしよう。でも、まきおばちゃんのはなしは私のはなしでもある。 昨日、久しぶりにまきおばちゃんに会った。って言っても、一ヶ月ぶりくらい。結構な頻度で会っている。彼女は私の母親の姉で、とても威厳があって、かっこいい。そんな…

眠い。本当に眠い。つい数分前まで、バイトの友達の友恵ちゃんと話していた。因みに今は、朝の四時も半を過ぎている。私はうんと彼女が好きなのだ。そして、沢山嫉妬しているのだ。でも、大好きなのだ。彼女について書かずにはいられない気持ち。 私の癖。そ…

前回の日記に書いたような感覚が戻りつつあります。おかげで、目の前にある世界が違って見えます。単純だなって思うけれど。なんか頭がリラックスした状態になってきました。 きっかけは、川原のベンチでいつもハーモニカを吹いている山口さん。 大学の真横…

友達が死んだ。 真面目な奴だった。一ヶ月前の飲み会で、焼肉屋に行った。その時、彼は肉に塩をきちんと振りかけて焼いていた。そういう、細かなところに気がつく人だった。頭もよかった。根性もあった。だから、死んでしまった。 命には、やっぱりそれぞれ…

パッコは、にこにことしていた。 いつだって彼女はそうだ。細い目をうんと細めて、気持ちよいまでに笑う。ボーイッシュな格好にさばさばした雰囲気、成績優秀スポーツ万能で、高校時代は女の子によくモテた。 「パッコはかっこいい!」と、口を揃えて誰もが…

久しぶりに高校の友達に会った。よしえ、だ。仲良しだった。 でも、いつでも彼女と喋っていると、不思議な感覚がする。本当に彼女と私は仲が良いのか、彼女の中で私は何なのか、よく分からなくなる。彼女と私の会話はいつも一方通行だ。私が何か話すわけでは…