リンリンとランランを連れて、本当にお風呂に入ったのだけど、なんだか自分が自分じゃないみたいに、ぬいぐるみに向かって謝ったりしているのが、自分でも不思議だった。今、二人は仲良くタオルに包まって横たわっている。発掘したときこわばっていた表情が、少し和らいで見える気がする。そんなこと考える自分のこの子供さにも驚き。



「お前はすっぴんの方が似合うなぁ。」
とバイト先の人に言われた。その日、確かに朝寝坊して、化粧をしていかなかったのだ。
「なんだか、優しそうに見えるよ。」
その人は、仕事はあんまり上手くないし、一緒に仕事をしていてストレスが溜まるような人だけど、内面は優しくて純粋な、かわいらしい人なのだ。和んだ顔でそう言われる。履き違えたら、セクハラ。
「実際は優しくないですけどね。」
仕事を続けながら、そういうと、その人はさらに顔を和ませて言った。
「突っ張るなよ。」
ハートマーク付で。
ああ、核心を着かれたと、今になって思う。そうさ、突っ張ってるんだよ。本当はぬいぐるみに話しかけちゃうような、ぬいぐるみの顔を洗うときにちょっとかわいそう、とか思う子なんです。子供なんですよ。それなのにタバコ吸ったり、世の中斜構えに見ちゃったり、ちょっと突っ張った子供なんですよ、私は。
突っ張りながら生きるの、もういやだ。