蜘蛛を読んだ。あれだ、私はどっちかっていうと作者からして善い読者になれない。勝手な感性がぴろぴろ働く。どうして蜘蛛になったかなんてしらなーい。
とりあえず、真っ先にひきこもりの兄がでてきた。こんな感覚。なんていうか、閉じこもっていくうちに鬱がれていく感性。包括的な人が閉鎖的になる。そして周囲の腫物的扱い。死ねばさわやかに終わってしまう感じ。無性に矛盾する生前の殺意と死後の涙。そう、斯くも現実はしょっぱい。誰かが苦労した過去は知らない。自分の苦労する現在だけ知ってる。他人の現実は自分の現実とは程遠いのだ。皮肉だらけの世の中に、たった一つだけ輝く、人と人の傷の舐めあいは温かい。