思いっきり、締め付けながら、しんじゃえって言ったのに。好きにしていいよ、って言われて。
酔っ払ってて、よく思い出せない。


好きな人の年齢は31歳だった。
知ったときは本当に驚いた。てっきり26位だと思い込んでいたから。でも、それでも好きで、隣に座っている間中、周りの人にばれないように手を繋いでいた。
彼女はいないよって言っていたのに、家に行くと、可愛らしい女の人と写った写真が飾られていた。冷蔵庫にかけられているホワイトボードには、『1年11ヶ月目!』と、可愛い文字で書かれていた。灰皿にも、二人で写ったプリクラが張ってあった。
彼女いるんじゃない、っていったら、あっさり認めた。騙されたのに。まだ、何で好きなのか分からない。彼女がいるって分かったのに、何であんなに。
口の中から、マイセンの味が離れなかった。気が狂うかと思った。